院長からのお便り

2012.11.15更新

昔から良く言われる言葉ですね。
ここでは人間ではなく、動物のお話。
以前「痛そう」がイタイでも似たような話をしましたが、今回はもう少し突っ込んだお話です。
ただし、きちんとした科学的検証がなされているわけではない部分もありますので、念のため。

人医学でも獣医学でも、最近の流れとしてはこれまでの西洋医学に代表される対症療法から、徐々に自然治癒力を高める東洋医学的な考え方も主流のひとつとして認識されつつあります。
西洋医学には即効性という心強い効果がある代わりに、副作用という怖い代償も付きまといます。
東洋医学では緊急性の高い病気では手遅れになる恐れがありますが、時間をかけて体質を改善することで自然本来の治ろうとする力を惹き出して治すので、副作用はありませんし、再発させないための根本治療に繋がります。
最近ではこの一長一短の治療方法を上手く組み合わせる事で、よりリスクの少ない治療方法が盛んに研究されています。

いわゆる、身体が自動的に正常な状態で平衡を保とうとする、ヤジロベイのようなしくみを恒常性(ホメオスタシス)と言いますが、自然治癒力が高まるとこのホメオスタシスの機能がより活発に働く事で、身体の不調な部分を正常に戻そうとする働きが生まれます。
自然治癒力やホメオスタシスの働き方には、その人の心の動きやストレスの程度、食生活に生活習慣などなど、様々な要因が影響しています。
特に心が落ち込んでいたり、ネガティブな状態では自然治癒力は上手く働きません。
この辺が「病は気から」と言われる所以でもあります。
「常にプラス思考」でいる事がとても大切なんですね。
さらには、思いついたことを後回しにせずその場で行動に移すという「ひらめきの行動」を心がける事も、この自然治癒力を高める働きがあります。
動物が怪我しても勝手に治るというイメージがある理由の一つは、この「ひらめきの行動」が彼らの基本的な行動パターンなので、人間よりも自然治癒力が働きやすい状態にあるからだと思います。

さて動物の場合、嬉しい時、得意になってる時、怖い時、心配してる時、拗ねてる時など、確かに心の動きがあります。
がしかし、私はそれ以上に、ワン子やニャン子が外から受ける日々のストレスに気をつけて欲しいと思ってます。
それは、例えば何か調子が悪い時は、病気そのものだったり、入院させられてたり、病院通いだったり
(獣医としてこれで良いのか・・・)
とにかく様々なストレスが、病気が治るのを妨げる要因になってしまうんですね。
病気じゃない時、普段の生活の中でもこの子達の周りにはたくさんのストレスが存在していて、この子達の体調をおかしくさせてしまう可能性があります。
それは生活環境によるものもあるでしょう。
そしてその中には、密室空間で常に受け続ける飼い主さんの心の動き、心の波動もストレスになってしまうんです。
前にも少しお話したかも知れませんが、この子達は常に、ご主人の様子に見えないアンテナを張り巡らせています。
お父さんお母さんの心の動きにとても敏感に反応します。
例えば、飼い主さんに赤ちゃんができて、そっちにかかりっきりになって、これまでの飼い主さんの意識がワン子に向かなくなった途端に色んな体調不良を起こし始めたりとか。
似たような話はいくつも聞くと思います。
そればかりじゃなく、毎晩毎晩、仕事から帰ってきては飼い主さんの愚痴を聞かされてたりとか。
飼い主さんの精神状態が落ち着いていないと、その波動=雰囲気がそのままストレスとなってこの子達にふりかかってくるわけです。
飼い主さんのネガティブな波動がそのまま、この子達になんとなく居心地が悪いと思わせてしまうのか、自然治癒力の発揮にブレーキをかけてしまうんですね。
ではどうすれば良いのか?
飼い主さん自身が、自分自身のために常に「プラス思考」でいる事、自然治癒力を高める効果があると言われている「ひらめきの行動」を心がける事が、一番だと思います。
ワン子ニャン子にとって世界で一番影響力を持つ飼い主さんが普段から「病は気から」を遠ざけて常に前向きな姿勢でいられるなら、少なくともその子が余計な病気にかかってしまう確率は、飼い主さんが落ち込んでいるよりはうんと低くなると思っています。

人もペットも「病は気から」。


そうそう。
夫婦喧嘩の耐えない家庭というのも、かなりのストレスを与えますのでご注意を。

投稿者: 博多北ハート動物病院

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