2013.01.27更新

1/20追記

先日のサスケちゃんの陰睾手術の続きです。

病理の検査結果が出て、先ほどお母さんにもご報告しましたが、


     弱拡大像:精巣内に曲精細管構造を維持した状態の腫瘍性病変が観察される(矢印


精巣は比較的よく曲精細管構造を維持した腫瘍病変で、内部にはセルトリ細胞
由来とみられる分化度の低い細胞の軽度の増殖がみられるが、細胞異型や
核分裂頻度上昇、観察の範囲での明らかな脈管侵襲像の形成はみられない。
セルトリ細胞以外の細胞の残存がみられないことからも、初期の腫瘍病変と
判断される。
(難波動物病理検査ラボ)


という結果でした。

実はこの子の以前に手術した5歳のダックスでは、同じくセルトリー細胞以外の

細胞が残存していませんでしたが細胞の腫瘍性変化はまだ認められずに

セーフだったんですが・・・

初期のセルトリーノーマという事で、残念ながら全く安心という結果では

ありませんでした。

とはいえまだ、脈管侵襲
(腫瘍細胞が血管などに侵入する現象で、全身転移の危険があるかどうかの判断材料のひとつ)

が認められないとの事ですから、私の経験からも今後悪性経過を辿る可能性は

限りなく低いと思われます。

なので、ほんとうに、ギリギリセーフ?といったところでしょうか。



もともと、セルトリーノーマ(セルトリー細胞腫)のうち、およそ1割にリンパ節転移

が認められるそうなので今後も定期的な身体検査は欠かせませんが

それにしても、もしお母さんの決断がないままいたずらに年月を費やしていたら

どうなっていたことかと、思わず冷や汗をかいてしまいました。

最初にご報告した通り摘出した睾丸は

肉眼上および触診上では癌化してなさそう

だったのですから。

SEARCH

ARCHIVE

CATEGORY

  • 院長からのお便り
  • STAFF BLOG
  • 治療紹介