院長からのお便り

2012.09.24更新

こんにちは。
僕のコラム第一回目をお届けします。
できるだけ、パートナーであるワン子ニャン子との日々の生活の中で気を付ける事など、少しはお役にたちそうな情報を提供していければと思ってます。
まぁ、不定期更新ではありますが、外部ブログ「イヌときどきネコ」と併せて、よろしくお願いします。


さてさて、
ワン子やニャン子が注射される時って、なんだか痛そうですよね。

注射する時に飼い主さんが傍にいらっしゃると、ほとんどの方が僅かに眉間に皺を寄せて「あぁ痛そう」って。

例えば予防接種の時って最初から病院に来る目的は「注射」なわけです。

家を出るときから飼い主さんの頭には「注射」の二文字が浮かんでるわけですね。

病院へいく途中の車の中とか、病院が近付くにつれて段々と緊張してきたりして。

受付で手続きを済ませて待合室で待ってる間にも、さらに緊張が高まってきて、

名前を呼ばれた時はそれがもうMAXになっちゃうんでしょうね。

ただでさえ動物病院って特別なところで、何かなければ行かない人がほとんどですし、

何かある時って、それはとても不安な時ですし。


以前勤めていた病院の院長先生は、動物は飼い主さんの心の動きにとても敏感だとおっしゃってました。

ご主人が悲しい時、なんだかわからないけどそういう波動が伝わってきてとっても心配してしまうんだとか。

逆に怒ってる時、触らぬ神に祟りなしとばかりにちょっと余所余所しくしてみたり。

特にマンション型の密室空間で暮らすワン子・ニャン子にとっては、

飼い主さんの感情その他の影響ってとても大きいんだと、私も思います。

常にこの子達のアンテナは飼い主さんに向けられてるんですね。

だからもう、病院の待合室で半ばパニックになってる飼い主さんの波動をモロに受け止めてるワンちゃんとか、

診察室に入った時からすでにパニックなわけです。

いくら看護婦さんや獣医さんが「大丈夫だよ、怖くないよ」なんて言ったって、

そりゃ、怖いと思ってる人からそう言われても、ねぇ(; ̄ー ̄A

唯一の頼みの綱の飼い主さんまで緊張しまくってるわけですから、診察台の上のワンちゃんはもう大変なわけです。

そこで、飼い主さんにはその子の頭なんかを撫でてもらいながら、思いっきり顔を近づけてもらって、

その子の目を見ながら話しかけてもらうんです。

もちろん、その前の問診というか、診察室に入った時から色々なお話をしながら、

診察の前に必ず一度は笑ってもらうように心がけてますけど。(漫才とかはやりませんよ、念のため)

笑うって良いですね。とてもリラックスできるんです。

そしてその心の動きは、必ず動物にも伝わるんですよ。

そして注射器とかそういう物を見せないようにしながらワクチンの用意をします。

飼い主さんがリラックスしててワン子に一生懸命話しかけて、頭を撫でながら我が子の自慢話のひとつも話していると、

いつの間にか注射も終わってるんです。

所謂、保定だとかそういうのは全くいらないんです。

飼い主さんもワン子も、ほとんどは注射した事すらわからないままワクチンは終わってしまいます。

飼い主さんの「痛そう」がなければ、実際には痛くないんですよね。注射って。

もちろん、すでにパニックも極まっていて、病院では修正不可能な状態になっちゃってる子もいますけどね。

だからというわけではありませんが、なるべく、大した用事はないけどちょっと寄ってみた。

という具合に、どんどん病院に遊びに来て欲しいですね。

また、そういう事ができる病院が増えてくれるといいなぁと思います。

普段から通いなれた所なら、飼い主さんもペットもそれほど緊張しないで済みますし、

なにより「ここにくると毎回何か嫌な事される」という風には覚えられたくないじゃないですか。

投稿者: 博多北ハート動物病院

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