こんにちは。
 
 ずいぶんと間が開いてしまいました。
 
 何事も貯めこんでしまうのが昔からの悪い癖なので、これからは溜めないように、
 
 逐一報告を心がけます <(_ _)>
 
 
 
 さて、この子の手術は春先の頃・・
 
 確か・・・5月だったかな ^^;
 
 ずいぶんとお年寄りの柴さんで、ミルちゃんと言います。
 
 
 
 これは初来院の時の写真なので、よ~く見ると右耳から何か出てますね。
 
 
 
 
 
 ご覧の通り、右の耳を塞ぐように、大きな腫瘍ができています。
 
 はじめ、飼い主さんとの相談の結果、
 
 もうずいぶんな年齢なのと、恐らくは耳垢腺癌など、
 
 あまり遠隔転移しにくい腫瘍だろうとの予測があったので
 
 このまま付け薬や飲み薬で炎症を緩和させつつ、
 
 耳周辺の消毒をしていこうという事になってましたが
 
 腫瘍表面から絶えず分泌される粘液のせいで
 
 耳の中も外もベタベタで汚く、かなり臭いもキツくなってきました。
 
 飼い主さんから再度、なんとかならないかとのご相談を受け
 
 できる限り最短最速で、対症療法的に炎症を起こしている腫瘍部分を摘出する
 
 事にしました。
 
 
 結果
 
 
 
 こんな感じになりました。
 
 念のため病理検査に出してみると案の定
 
 耳垢腺癌との事でした。
 
 当然、取りきれるはずもなく、今後は手術した痕から再度大きくなったり、
 
 周辺にある小さな腫瘍が巨大化しないかなど
 
 心配の種は尽きませんが・・・
 
 粘液が出なくなって臭いもしなくなり、本人も痒がらなくなって楽そう
 
 と、喜んでもらえました。
 
 こういう、根治を目指すわけではなく、
 
 あくまで症状の緩和と
 
 本人とご家族の生活の質(QOL:Quolity of Life)を高め、
 
 改善させる目的での手術を姑息手術と言います。
 
 言葉はなんだか卑屈でネガティブな印象ですが
 
 こういった処置で本人とご家族が満足できるのであれば
 
 それも立派な治療だと思っています。
2013.07.02更新
耳垢腺癌
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