治療紹介

2013.07.02更新

こんにちは。

ずいぶんと間が開いてしまいました。

何事も貯めこんでしまうのが昔からの悪い癖なので、これからは溜めないように、

逐一報告を心がけます <(_ _)>



さて、この子の手術は春先の頃・・

確か・・・5月だったかな ^^;

ずいぶんとお年寄りの柴さんで、ミルちゃんと言います。



これは初来院の時の写真なので、よ~く見ると右耳から何か出てますね。





ご覧の通り、右の耳を塞ぐように、大きな腫瘍ができています。

はじめ、飼い主さんとの相談の結果、

もうずいぶんな年齢なのと、恐らくは耳垢腺癌など、

あまり遠隔転移しにくい腫瘍だろうとの予測があったので

このまま付け薬や飲み薬で炎症を緩和させつつ、

耳周辺の消毒をしていこうという事になってましたが

腫瘍表面から絶えず分泌される粘液のせいで

耳の中も外もベタベタで汚く、かなり臭いもキツくなってきました。

飼い主さんから再度、なんとかならないかとのご相談を受け

できる限り最短最速で、対症療法的に炎症を起こしている腫瘍部分を摘出する

事にしました。


結果



こんな感じになりました。

念のため病理検査に出してみると案の定

耳垢腺癌との事でした。

当然、取りきれるはずもなく、今後は手術した痕から再度大きくなったり、

周辺にある小さな腫瘍が巨大化しないかなど

心配の種は尽きませんが・・・

粘液が出なくなって臭いもしなくなり、本人も痒がらなくなって楽そう

と、喜んでもらえました。

こういう、根治を目指すわけではなく、

あくまで症状の緩和と

本人とご家族の生活の質(QOL:Quolity of Life)を高め、

改善させる目的での手術を姑息手術と言います。

言葉はなんだか卑屈でネガティブな印象ですが

こういった処置で本人とご家族が満足できるのであれば

それも立派な治療だと思っています。

投稿者: 博多北ハート動物病院

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