治療紹介

2018.02.17更新

よく、ワン子の飼い主さんからご相談されるのがこの、

涙やけです。

この涙やけ、原因は様々。

細菌性やアレルギーなど、眼周囲の炎症が原因だったり、

生まれつきの眼の構造の問題で涙のはけが悪くて絶えず溢れるケースや

フードが合わなくて涙の性質が変化してしまっていたり

中には水分の不足や運動不足が原因で代謝不良を

起こしている事が大元の原因だったりすることもあります。

 

涙やけの改善にはまず、

たっぷりの水分と、十分な運動を心がける事。

それでも改善しない時

例えばあるフードに変える事で涙やけが改善していく事があります。

 

茶々全身pre

この子は茶々といって、

とある事情でうちの居候になってる子です。

なかなかに可愛い、おすまし顔してますが・・・

目元を拡大してみると

 

茶々目元pre

毛色が黒なんでちょっとわかりにくいですかね?

目元にたんまりと目やにがこびりついていて

こげ茶色の涙やけがしっかりと。

 

この子に限らず、病院の居候達はどうしても運動不足になりがちで

この子も、必ずしもベストな飼育環境とは言えません。

涙やけもそのへんに原因の一端がありそうですが

そうすぐに改善できる事でもなく・・・

そこでフードを

アミノペプチドフォーミュラというアレルギー用のフードに変えてみました

このフードで涙やけが治った!

という情報を頂いたので、ちょっと試してみようと。

 

およそ1か月半、これだけを与え続けた結果

茶々目元post

茶色い色素はまだ残るものの

だいぶ改善してます。

目元なんかは、びっしりこびりついてた目やにがなくなって

すっきり!

 

茶々全身post

美人さんになりました ?

 

投稿者: 博多北ハート動物病院

2014.02.03更新

今回は再び、唾液腺嚢胞のワン子のフクちゃんです。



前回の吉吉君と同じく、今回もダックスさんなのは、やはり好発犬種だからでしょうか。

開業前に勤めていた病院でこの病気で診ていた子達もダックスさんが多かったですし。




これは横から。

顎の下に大きな大きな、たぷんたぷんの袋がとっても邪魔そうです。



フクちゃん、これまでかかっていた病院で

定期的に中の液を抜いてもらっていたそうですが

溜まる速度が早くなってきたため

手術を希望されて当院にいらっしゃいました。

この病気は基本的には痛みもないため、

邪魔になるほど大きくならなければ様子を見てもいいと思いますし

一度抜くと、再発まで間が空くようなら、

時々穿刺して唾液を抜くという方法で維持するのもいいと思ってます。

ですがフクちゃんの場合、1週間もしたら写真の通り、大量に溜まってしまうので

これはさすがに、何かしら手を打たなければなりません。

初めは、ワン子の唾液腺症のうち内科治療に反応する子がいるので

先に内服でのコントロールを試してみましたが

ちょっと反応している印象はあるものの残念ながらコントロールには至りませんでした。

そこで今回の手術となったワケです。




これは、手術直前ですね。

これだけ大きな袋では、さすがにそのままというわけにもいかないので

まずはこの袋を摘出して、

次いで左右どちらか、今回の症状の原因となる側の

唾液腺(舌下腺と下顎腺)を摘出する事にしました。

まぁ、手術を進めていくうちに

この嚢胞が実は二つに分かれていた事。

左右の唾液腺両方とも腫れていた事。

などが判明して、結局は両方とも摘出する事になりました。



これは唾液腺(舌下腺と下顎腺)を取り出しているところです。

鉗子のもう少し奥まで、きれいに剥離して摘出します。




術後の経過も良く、

すぐは腫れていたお顔も、退院の時にはすっきりして

元気に帰っていきました。



あとは、この病気には残念ながら、ある程度再発の可能性があるため

これからしばらくは要注意です。






        


抜糸にきたフクちゃん。

術後の経過はすこぶる良好で、

ひとまずはもう大丈夫と、治療終了です。

投稿者: 博多北ハート動物病院

2013.07.02更新

こんにちは。

ずいぶんと間が開いてしまいました。

何事も貯めこんでしまうのが昔からの悪い癖なので、これからは溜めないように、

逐一報告を心がけます <(_ _)>



さて、この子の手術は春先の頃・・

確か・・・5月だったかな ^^;

ずいぶんとお年寄りの柴さんで、ミルちゃんと言います。



これは初来院の時の写真なので、よ~く見ると右耳から何か出てますね。





ご覧の通り、右の耳を塞ぐように、大きな腫瘍ができています。

はじめ、飼い主さんとの相談の結果、

もうずいぶんな年齢なのと、恐らくは耳垢腺癌など、

あまり遠隔転移しにくい腫瘍だろうとの予測があったので

このまま付け薬や飲み薬で炎症を緩和させつつ、

耳周辺の消毒をしていこうという事になってましたが

腫瘍表面から絶えず分泌される粘液のせいで

耳の中も外もベタベタで汚く、かなり臭いもキツくなってきました。

飼い主さんから再度、なんとかならないかとのご相談を受け

できる限り最短最速で、対症療法的に炎症を起こしている腫瘍部分を摘出する

事にしました。


結果



こんな感じになりました。

念のため病理検査に出してみると案の定

耳垢腺癌との事でした。

当然、取りきれるはずもなく、今後は手術した痕から再度大きくなったり、

周辺にある小さな腫瘍が巨大化しないかなど

心配の種は尽きませんが・・・

粘液が出なくなって臭いもしなくなり、本人も痒がらなくなって楽そう

と、喜んでもらえました。

こういう、根治を目指すわけではなく、

あくまで症状の緩和と

本人とご家族の生活の質(QOL:Quolity of Life)を高め、

改善させる目的での手術を姑息手術と言います。

言葉はなんだか卑屈でネガティブな印象ですが

こういった処置で本人とご家族が満足できるのであれば

それも立派な治療だと思っています。

投稿者: 博多北ハート動物病院

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