治療紹介

2013.03.11更新

こんにちは。

ホームページ上でこの陰睾のお話をさせて頂いてから

陰睾の問い合わせが増えてきました。

今回は当院で5件目の陰睾手術です。



手術を受けたのはクッキーちゃん。



ちょっとビビリが入ってますが^^;

とってもフレンドリーな2歳のダックスさんです。





術前の状態ですがご覧の通り、睾丸は立派ですがひとつしかありません。

この子は以前から、身体検査では陰睾を全く触らなかったので、

恐らくはお腹の中だろうとお話していましたが、

麻酔をかけてみると左の鼠径部にしこりがあります。

これが鼠径部のリンパ節なのかはっきりと確信できなかったので

正常な睾丸を摘出したあと、まずは鼠径部のしこりを探ってみました。

しかしやはり、リンパ節だと確認できたので、次いでお腹を開ける事になりました。



画像はお腹の中にあった睾丸です。

いつも通り、精管を辿っていこうとしたところ、

精管が左右に分岐する場所に高度な変形が観察されました。

写真の、睾丸から向かって左側、約1cmほどの太い帯状の部分が、

いびつに変形して短縮した左側の精管の全長です。



お腹の中の、精管(黒矢印)と、精管が変形している部分(白矢頭)です。

左の精管は正常なので長さは10cm以上ありますが、

変形した右の精管(陰睾側)は太く短く、全長で1cmくらいしかありませんでした。





無事に摘出された睾丸です。

大きい方が正常な睾丸で、小さい方がお腹の中にあった睾丸です。

この子はまだ3歳前と若いですが、お腹の中にあった睾丸は

まだ癌化には至ってないものの、

病理検査では、先に紹介した5歳の子の睾丸と同じく、

セルトリー細胞しか残っていませんでした。

          クッキーちゃんの、一見正常に見える腺構造


ただ、著しく変形していた精管については、ただ萎縮しているだけで

特に問題はなかったようです。







        


      

投稿者: 博多北ハート動物病院

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